《説教要旨》『だれも知らない』                大澤宣 牧師

マタイによる福音書24章36~44節

サンタクロースの起源は、セント・ニコラウスという3世紀のトルコの司教の言い伝えです。貧しい家庭に、金貨を投げ入れて助けたということです。ヨーロッパには様々なサンタクロースがいます。こどもたちをいさめて、約束をさせるというサンタクロースもいるそうです。こどもたちは、サンタクロースが来ることに備えて、兄弟仲良く過ごすということになるようです。サンタクロースが来る時に備えて、自分たちのあり方をただしていくということがあるのです。

聖書の言葉は、待つ、備えるというあり方を忘れてしまったことへのいましめとして語られています。

ノアの箱舟の出来事にあるように、神様の教えを忘れてしまったことへの警告を通して、待つこと、備えることを忘れないようにと語っているのです。その日その時がいつかということはだれも知らないのであり、また、それがいつかということにかかわりなく、主が来られるときが必ずあるということに心を向け、自分のあり方をただし、隣人とのあり方を見つめなおしていくことが大切なのです。

アドベントを迎え、イエス・キリストの御降誕を心に刻むクリスマスを迎えようとしています。この時に、私たちは、イエス・キリストが再び来られて、世界を裁かれるときがあることを心に留めたいと思います。私たちは、終わりの時を、破滅の時、恐ろしい時として待つのではなく、祝福された時、喜びの時として迎えるものでありたいと思います。

私たちの歩みの中で、イエス・キリストの御言葉を、私たちそれぞれの生き方の中にしっかりと受けとめていきたいと思います。それは、私たちの思いを自分の方へ向けることと同時に、他者へと向け、隣人に配慮することへと向かわせるのだと思います。

アメリカで、「秘密のサンタ」と呼ばれる活動が続いています。かつて、生活に行き詰っていた人が、助けられ、そこから立ち直ることができたことに感謝し、今度は自分が隣人を助けようとして活動を始めたものです。

神様からイエス・キリストという大きな贈りものをいただき、愛と喜びと希望という大きなプレゼントを与えられたことを覚えて、私たちもささげること、分け合うこと、助け合うことを大切にしたいと思います。

今日は、社会事業奨励日という日でもあります。支援を必要とされる方たちのことを支える働きが続けられています。主にある働き人たちの上に祝福がありますように、すべての人が、ふさわしく支えられますように祈っていきたいと思います。